インスティンクト ー異常犯罪捜査ー #7 久々の交流

インスティンクト ー異常犯罪捜査ー #7 久々の交流

インスティンクト 異常犯罪捜査

海外ドラマ「インスティンクト ー異常犯罪捜査ー」のあらすじ、ネタバレ、感想などを紹介している記事です。

全部で13話までなので、中盤から後半戦ですね。第7話は「久々の交流」です。

久々の交流とは、警部補のジャスミンと幼馴染みでもあり、ニューヨークのプロバスケのチームオーナーでもあるアビー・ライトとの交流をさしています。アビーの主催するパーティで久々に再開するも、以前とは様子が変わっていた。そして今度はアビーの死という複雑な話になっていきます。

あらすじ

 

ニューヨークの人気プロバスケットボールチームのオーナー、アビー・ライトが事故死した。リジーとディランは、アビーと夫ラッセルが主催するチャリティーパーティーに参加していた、アビーの幼なじみのジャスミンに経緯を聞く。アビーはパーティー会場で、チームの本拠地移転を決めたアビーに抗議する団体に囲まれて精神的に不安定になり、車でパーティー会場から去ってしまったという。その途中、事故を起こしたとみられ……。

(WOWOWオンライン公式サイトより)

 

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ネタバレ

 

ここからはネタバレコーナーです。ご注意くださいませ。

 

交通事故の現場

インスティンクト #7

交通事故の現場に、男性に付き添われた警部補ジャスミンがやってきた。現場には、すでにリジーとディランの姿も。

リジーの姿を見つけたジャスミンは「来てくれたのね」と声をかけ、抱き合った。ジャスミンに付き添っている男性にディランは自己紹介をした。男性はジャスミンの婚約者ウーだと名乗った。

ジャスミンは、アビーの遺体を確認した後、現場にやってきた。とても辛い心境だが、何があったのか事実を確認する必要がある。リジーは、パーティで何があったのかを二人に聞いた。

ウー「パーティで、来ていた客が彼女に群がったんだ」

ジャスミン「それを止めようとしたら、アビーが「触るな!」って急に怒鳴って、そのまま席を外したの」

ウー「それから姿が見えなくなってしまった。駐車係の話によると、適当な車に乗って走り去ったと言っていた」

ジャスミンはウーに「ちょっと待っててくれる?」と言って、リジー、ディランと共に規制線の中へ入っていった。

ディラン「目の前で車を盗んだのに、なぜ駐車係は止めなかったんだろう?」

ジャスミン「アビーの車だと思ったらしい」

リジー「アビーの側にいてあげたいと思っているだろうけど、あなたも大変だったんだから、後のことはまかせて、家に帰って。これは友人からの命令よ」

ジャスミン「こまめに報告してね」

リジー「わかっているわ」

現場では車が横転し、タイヤが空を向いていた。

ハリス刑事がやってきた。「あそこから落ちてる」と言って上を見た。上には橋がある。「目撃者の話じゃ、かなりスピードを出していたそうだ」

ディランは推理する。なぜアビー・ライトは車を盗み、猛スピードで橋からダイブしたのか?

 

数時間前

アビー・ライトが開いたパーティ会場には、スーパーモデルや著名人などがたくさん来ていた。それを取材するマスコミ。しかし、抗議をしている人たちもいる。

ジャスミンとウーが会場に到着した。

ウー「ニューヨークハドソンズのオーナーと友達だから、君との結婚を決めたわけじゃないよ。まぁ、悪い気はしないけどね(笑)」

ジャスミン「私は子供の頃から顔が広くてね、ブロンクスいち冴えない白人の女の子ともつるんでいたの。でもその子は、今やあの有名なアビー・ライト」

ウー「それにしても、すごい抗議だね」

ジャスミン「仕方ないわ。アビーは大好きだけど、ハドソンズの本拠地を移転させるとなれば、自分から世間を敵に回したのも同じだから」

アビーが到着した。抗議の声がエスカレートする。ジャスミンが抗議をしている人たちの中に、アビーを睨みつける不審な男を見つけた。

ジャスミン「ねぇ、あの男、怪しくない?」

ウー「警備関係者じゃないの?」

ジャスミン「でもイヤホンを付けていない」

気になったジャスミンは警備をしている男性に近づいた。

ジャスミン「すみません、NYPDよ。3時の方向に銃を持った男がいる。中肉中背で40代後半」

警備「どこですか?」

先ほど男がいた方向を見ると、もういなかった。「あそこにいたのに・・・」

警備の男は「調べます」と言って、抗議をしている人溜まりへ向かって行った。

 

バスケの観戦

自宅でバスケを見ているアンディ。観戦にも熱が入る。横ではディランが本を読んでいる。

シュートが決まると「よーし!」と言って、アンディは立ち上がり、手を上げた。ディランは、本に夢中になっていたが、アンディが立ち上がっていることに気付き、自分も立ち上がった。

アンディ「さぁ」

ディランとアンディはハイタッチをした。そして「いいぞ、ハドソンズ!」とディランは言った。ガッツをポーズを見せるアンディだが、「いや、ハドソンズは出ていないよ。この試合は、ハドソンズの対戦相手を決めているんだ。僕はマイアミを応援してる」

ディラン「じゃぁ、いいぞ、マイアミ! ハハ。 で、これからどうするの?」

アンディはバスケに夢中だ。「まぁ・・・試合の続きをみるよ」

ディラン「そうか。・・・なぁ、お腹が空いた。残りは録画して、食事の後に見ればいいよ」

アンディ「でも、リアルタイムで見ていないと、勝てるよう念を送れないよ」

ディラン「念? それってどういうこと?詳しく聞かせてよ」

アンディ「そこじゃなくて。君がスポーツに無関心なのは知っているけど、プレイオフなんだよ! 終わったら君の希望を何でも叶えてあげるから」 そう言ってテーブルに足を上げた。

ディラン「何でも? へぇ~、よほど大事な試合なんだね」と言いながら、アンディの足をくすぐった。

アンディ「よせって(笑)」

 

パーティ会場

インスティンクト #7

ジャスミンたちと話をするアビー夫妻

アビー「ちなみに市長は、正式にこのイベントをボイコットするんですって」

ジャスミン「好感度アップの狙いが見え見えね。」

その横では、婚約者のウーがスマホで動画を撮っていた。

ラッセル(アビーの夫)「いつ市長選に出るんだい。うちの広告会社でジャスミン・グッデンを大いに売り込むつもりだよ。君なら楽勝で勝てるはず」

ジャスミンが「こんなに完璧な夫だと、うんざりしない?」とアビーに問いかけると、彼女は笑い返した。その後、アビーは男性から声ををかけられ、その場を離れた。

アビーを不機嫌な顔で見ているウェイター。何か怪しい。ウーは、たまたま近くにいたこのウエイターにジャンパンを頼んだ。しかし、「すぐ戻ります」と言ってその場を離れていった。

一方アビーの方は、一人の女声に「ねぇ、一緒の撮っていい?」と声をかけられた。そして一緒に写真を撮り始めた。

その様子を見ていたジャスミンは「ねぇ、アビーってああいうのダメだったでしょ?」とラッセルに言った。「あぁ、嫌いだが、慣れたんだよ。人気チームのオーナーなら、ファンサービスは避けて通れないしね」

アビーの周りには、徐々に人が集まってきた。アビーの様子がおかしい。対応しきれず、動きが止まっている。アビーは自分の周りにいる人たちみんなが「アビー! アビー!」と自分の名前を呼んでいるように感じていた。

ジャスミンが「アビー、大丈夫?」と声をかけ、背中を触った。それに驚いたアビーはウェイターにぶつかり、ウェイターはグラスを落とした。夫が近づき、彼女の肩に触ると「いや、触らないで!やめてよ! 誰も私に触らないで!!」 そして、振り下ろした手が、別のウェーターが持っていたお盆に当たり、落ちた音が鳴り響いた。その場の空気が凍りついた。

我に返ったアビーは「ごめんなさい。私・・・驚いてしまって」 夫がそっと近づき耳元で「少し中で休もう。冷静になるんだ。よし、じゃぁ行こう。おいで」と声をかけ、二人は建物の中へ入っていった。

アビーが立ち去ったあと、ウーは何かを見つけ拾った。それはアビーが落としたブレスレットだった。ジャスミンはブレスレットを受け取り、「アビーに渡してくる」と言って、中へ入っていった。

 

ディランの書斎

「バンバーン、シュート! よーし、マイアミが勝った!」と言ってアンディが入ってきた。それを楽しそうに眺めるディラン。

ディラン「かわいいねー。会ったこともない5人の男たちがボールを追う姿に、そんなに興奮できるなんて」

アンディ「イヤミを言うときに、鼻にシワを寄せる君もかわいい」

ディラン「へへへ。確かに、すねた態度だった。でも、プレーオフやお互いの予定もあって、なかなか二人で過ごせない。・・・・寂しいんだ」

アンディ「今から一緒に過ごせるよ。どこかに出かける? 異常行動の展示会は?」

笑うディラン。そのとき、携帯にメールが届いた。

アンディ「リジーから?」 うなずくディラン。「警部補の友人が死亡 現場に来て」というメッセージだ。

ディラン「大変だ。警部補の友人が亡くなったらしい」

アンディはうなずき、「行って」と言った。ディランは「すぐ行く」とメッセージを返した。

 

現在に戻る

インスティンクト #7

ハリス刑事「あそこから落ちてる。目撃者の話じゃ、かなりスピードを出していたそうだ」

ラファエル刑事「上の現場を見てきたが、スリップ痕はなかった。自殺したのかな?」

ディラン「自殺ではない」

リジー「来たばかりで、いったい何がわかるの。アビーは、ブレーキを踏まなかったんだから、自殺の可能性があるわ」

ディラン「アビー・ライトは、自分のイメージにこだわっていた。もし自殺するなら、こんなに人目につく荒っぽい死に方を選ぶとは考えられない」

リジーは落ちた車を眺めていたとき、何かを見つけた。「3台と接触の可能性が。ここに塗装が付着してる」

ラファエル「問題は、いつ付いたか」

ハリス「衝突前後の緊急電話を、リアルクライムセンターに問い合わせたら、アビーが通報していたことがわかった」

 

センター「緊急電話です。どうされました?」

アビー「お願い助けて。彼に殺される!!」

センター「現在位置を教えてください」

車のブレーキ音と壊れる音がした。

 

ディラン「これで、自殺の線は消えたね」

 

警察署

フッチ「アビーが殺されて当然なんて言わない。でもラスベガス・ハドソンズになるのは、やっぱり気に入らない。語呂も悪いし」

ジミー「やっぱり、ニューヨークじゃないとなぁ」

ハリス「チームの移転なら、経済界からも怒りを買っているはず。奴らは金も権力も持っている」

 

リジーとディランが戻ってきた。

リジー「アビーは、警部補の親友だってこと忘れないでね。招待客リストの状況は?」

ラファエル「今から、52番目に連絡をするところ。これまでに目撃情報もなし」

リジー「この世で避けて通れないのは、死と地道な努力」

そこへ、ジャスミンがやってきた。

フッチ「警部補、お察しします」

ジャスミン「ありがとう。ハリス、送った動画は届いた?」

ハリス「今、リジーに見せようとしてたところ」そう言って映像を出した。

フッチ「各メディアのレッドカーペットの映像を調べていますが、今のところ、警部補が見た男と特徴が一致する人物は見つかっていません」

ジャスミンは「その映像、私にも送っておいて」と言って部屋へ入っていった。

ハリス「警部補の婚約者が、アビーが消える直前までの、パーティの様子を携帯で撮っていたんだ」

リジー「変わった点はある? 博士」

「ああ。奥にいる男性。ポケットに春巻きを詰め込んでるよ」と言っていると、ウーがシャンパンを頼んだウエイターの映像が流れた。

電話で会話をしてるフッチの話に、みんなは聞き入る。
「ええ、そうなんですよ。ズッキーニブレッドなんて懐かしいですよ。・・・ですね。ええ、それでは」

ハリス「何の話だ?」

フッチ「アビーがパーティーを去る前に、電話した相手ですよ。ステラ・ミッチェルっていう人で、隠居した一人暮らしの女性。昨日の午後、アビーが間違い電話をかけていた」

リジー「アビーがその番号にかけたのは初めてなの?」

ハリス「調べてみる」

ディラン「なぁ、アビーと接触した可能性がある車を割り出したほうが合理的じゃないのかなぁ」

リジー「接触は可能性だし、自動車犯罪で扱えば後回しになる」

フッチ「1人心当たりがあるんだけ」

リジー「公認の鑑定士?」

フッチ「いいや、ここは街の修理業者に依頼しよう」

 

修理業者のスティーブン

インスティンクト #7

スティーブ「車載診断機能によると、時速130キロでカーブを曲がってる。蛇行運転していたようだし、逆にそこまでよく持ったほうだよ」

ディラン「薬物検査の結果は? 飲酒はしてた?」

「今届いた。血中アルコール濃度はほぼ0」とリジーが言い終わると同時に、スティーブが「あー!」とリジーの腕を掴み、引き寄せた。

彼女の背後には、後ろ向きで荷物を運ぶ従業員がいて、危うくぶつかるところだったのだ。その様子を見ていディランは、スティーブがリジーに好意を持っていることに気付いた。

スティーブ「失礼。危なかった。大丈夫?」「ええ、どうも」

ディラン「カーナビに行き先の住所は入ってた?」

スティーブ「いいえ。でも、走り出した直後の数分間は、ブロック内を1周している」

ディラン「尾行されてると感じて確認したんだな」

リジー「蛇行運転をしていたのも、きっと、尾行を撒くためね」

ディラン「だが撒くことができず、すがる思いであの通報をしたんだろう。追いつかれて接触した形跡はなかった?」

スティーブ「オイルウェルからテールランプの破片が出てきた。69年型のあるスポーツカーの専用色とそこに付着している色が一致。グラバーブルーだ」

ディラン「グラバーブルー?」

スティーブ「わかるよ。響きが、バードレイノルズの役名にありそうだ」

笑うディラン。リジーは「または豊満なスマーフみたい。グラマーブルーって」

スティーブ「ハハハ、それ笑える。面白いねぇ」

リジーとスティーブンの会話とその様子を見て、リジーも彼に興味を持っていることに気付きニヤニヤするディラン。

スティーブ「まぁ、僕なら貴重な年代物の車で、人にぶつかろうとは思わないけどね」

ディラン「目立つ車で、追っていることを知らせたかったのかも」

スティーブ「鋭い!さすが刑事さん」

リジー「いや、彼は違うの」

スティーブ「そう。・・・じゃぁ・・・・二人は・・・」

ディラン「違う」 リジー「やめて、違う」 二人はスティーブに否定する。

スティーブ「じゃぁ、シンガー報告をプリントアウトするよ」 そう言って、その場を離れた。

 

ディラン「スティーブは、君に気があるよ」

「フッチの知り合いだから、親切にしてくれてるだけよ」

「身構え過ぎだよ」

「構えていない」

「ムキになるのは当たってるからだろう。彼の態度には嘘がない。言葉には警戒心もなく、君の話をよく聞いてる。君の方に前かがみになるのは、守りたいという本能からだよ」

「ロマンチックな分析だけど、私は守られる必要ないので」

「必要だよ。誰だって。そろそろいい頃じゃないかなぁ。つまり・・・いわゆる現役に戻っても」

「戻らない。速すぎる。婚約者を亡くしたばかりだし」

「それは1年以上も前の話だ。悲しみは時間では計ることはできないが、僕は今まで君を見てきた。ジョークをいい、笑って、人を助けようとする行動は、君が立ち直りつつある兆候なんだよ」

微笑むリジー。そして、「僕が手を貸す」とディランが言った。必死でそれを止めようとするが、でイランはスティーブに話しかけた。

ディラン「スティーブ、恋人はいるの? 友人のために聞いてるんだ」

スティーブ「彼って、いつもこうなの?」

リジー「ええ。ガンガン攻め込んでいくタイプ」

スティーブ「ハハハ。仕事中なんで、わきまえなきゃと思ってたんだけど、パートナーからの許しが出たのならいいかな」

リジー「フフフ」

スティーブ「今度、食事でもどうかなぁ」

ディラン「喜んで」

リジー「ねぇ、自分で答えるから大丈夫」動揺していたのか、持っていたペンを落とす。すぐさま、それをスティーブ」

リジーは彼に名刺を渡した。

「明日の夜はどう?」

「いいよ」

「よかった」

「電話する」 スティーブは仕事に戻っていった。

 

ディラン「明日の夜?? 君は本当に面倒くさい人だなぁ。明日の夜なんて、絶対に無理に決まってるんだろ? どうせ遅くまで仕事するつもりだろ?」

リジー「もし難しければ、断ればいいだけでしょ。こうして確かな証拠が手に入ったんだから、掘り下げて調べないと」と言って早足で修理工場を後にする。

 

夫ラッセル

バスケの会場。

ラッセルに「69年型の青いスポーツカーを持っている知り合いがいないか」聞くも空振り。アビーが事故直前に、誰かに追われていて緊急電話をかけていたので、心当たりを聞くも、夫は何も知らなかった。そんな質問をするので、ラッセルは「アビーは殺されたんですか?」と聞いた。

しかし、現時点ではなんとも言えない。だが、バッシングを受けていたことは確かだった。

秘書が「チームの移転話で、多くの恨みを買っていました。抗議の手紙、ヘイトメール、ツイート・・・対応に追われていました。それに、最近は疲れた様子で」

ラッセル「ファンの中には爆弾予告や、不法侵入するものもいた」

秘書「死んだネズミが届けられたこともありました」

リジー「手紙などはまだ保管してありますか?」

秘書「すべて保管しております」

リジーは、それらを署で預かることにした。ラッセルには、「また連絡します」と言って秘書について行った。

インスティンクト #7

ディラン「ヘイトメールを送る原動力になるのは、たいていの場合、信仰心や政治的理念だ。それらの考えによって、自らを定義づけている者にとっては大事な問題だと思うが・・・スポーツで??」

リジー「まぁ、スポーツファンは熱いから。だから、私は見るよりやる方が好き」

ディラン「なぁ、メールの事は君に任せていい?」

リジー「ええ。何なの? どこ行くの?」

ディラン「実地調査だ」

 

アンディーのお店

実地調査のためにアンディの店にやってきたディラン。

ディラン「批判をしに来たわけじゃないんだ。自然の環境下で、スポーツファンの行動を観察したいだけなんだよ」

アンディは料理を運びながら、ディランの話を聞いている。

アンディ「スポーツファンは動物なのか?」

ディラン「すまない、言い方が悪かったね」

料理をテーブルに置くアンディ。ディランは「女性が殺されたんだ」と言った。それを聞いた女性客は驚き、ディランの顔を見た。アンディは「やめてくれ」と言い、隣のテーブルの食器を片付ける。

しかしディランの話は続く。「女性が殺され、犯人は強すぎるスポーツ愛を持つ人間かもしれないんだ」 女性客はまだディランのことをチラチラと見ている。

「へぇー」

「だから是非、この目で見て、体感することで、殺人的な熱狂の理解を深めたいと思ってるんだ」

「殺人的な熱狂?」 アンディはカウンターへ歩いていく。

「んーーー、また失言だ。頼むよ! 君のことは何でも理解している。でも唯一、スポーツ愛だけはわからないんだ。例えば、人の名前が書かれたユニフォームを、なぜ着て歩きたいのか?」

「なるほど、スポーツファンの秘密を知りたいわけだ。じゃぁ、書き留めてくれる?」

「聞けば覚えられる」

「まずはそう! チームが気になり、選手をよく知る。すると勝利を願うようになる。それだけ」

「そんなはずはない」

「あぁ、その通りだ。スポーツは最高に楽しめる。放課後、友だちと一緒にやった勝負は、まさに青春の思い出だ」

「試合中の暴動に、フーリガンや脅迫状。スポーツファンの脳による研究によれば、これらはミラーニューロンの・・・」

「なぁなぁなぁ。行動分析でスポーツのことをブッタ斬らないでくれー! いい? じゃぁ、もし音楽番組でベートベンとブラームスが戦うとしたら、どっちを応援する?」

「えーーー、そうだなぁーーー選ぶなら・・・いや、どっちでもいい。勝つのは音楽だから(笑)」

「おぉ~~」

「クラッシック音楽は時代精神に有益だが、スポーツは置き換え攻撃のはけ口にすぎない」

「ふーん、・・・懲りずに、失言だな」そう言って、アンディは仕事に戻っていった。カウンター席で反省するディラン。

そのとき、背後から人が話す声が聞こえてきた。

「このまま何もせずに放っておいてみるよ。ニューヨークが見ることになるのは、ジョン・レノンの死以来の悲劇だ」

後ろを振り返るディラン。二人の客がスマホで何かを聞いていた。

「アビー・ライトは、俺たちの仲間じゃない。ブロンクス出身だろうが関係ない。俺たちのハドソンズをよその町に・・・」

 

ディラン「これは誰だですか?」

男性「ハドソンズ国家の長(おさ)です」

ディラン「その長の名前は?」

女性「トマホークよ。これはウェブログっていうの」

「・・・記事を見てみろ。俺がこの数ヶ月訴えてきたのと同じ・・・」

ディラン「アビー・ライトのパーティでこの声を聞いぞ」

 

 

ネット活動家

ディラン「ウェーターの動画を出して」

ジャスミン「待って! そうよ、思い出した。このウエイター、3回も飲み物を頼んだのに持ってこなかったのよ」

リジーが調べる。「ネット活動家で、名前はトムサー・ケイジャーです」

ディラン「この目立ちたがり屋さんは、他にどんなことを発信してるんだい」

リジーが検索すると、バスケのチームにお尻を見せている写真が出てきた。

リジー「ふふ、トロントの選手みたいね」

ディラン「億万長者に大臀筋を見せるのは珍しいことではない。つまり、アビーに接触しようと、パーティに忍び込んだわけか」

リジー「それだけじゃないみたい。彼の愛車、69年型の青いスポーツカーよ」車と一緒に写っている写真を見つける。

ジャスミン「すごい偶然ね。引っ張ってきて。私が自分で取り調べるから」

 

インスティンクト #7

車から降り、トマホークの家へ向かう二人。

ディラン「つまり、トマホークはパーティに侵入し、タフなCEOを脅かそうとした。恐怖を感じたアビーは、車を盗んで逃走。そして死のダイブに至った。ちょっと、強引すぎる推理だけど」

リジー「確かにその通りだけど。トマホークの不法侵入に、アビーの車のダイブ。彼の車と同じ塗装がアビーの車に付着してたことは、確固たる事実」

「そして、君がセクシーな男性とのデートをキャンセル前提で設定したのも確固たる事実」

「今、私のプライベートは関係ない! 彼が電話してこないだけなんだし」

「電話してくるとも。事実と行動は必ずしも一致しない。トマホークはアビーを散々叩いてはいたが、それと同時に大事な飯のタネでもあった。それなら何故殺す必要がある?」

「テストステロン過剰のスポーツ命の男が、チームの移転話に激怒して攻撃的になり過ぎたのかもね」

「いーや、違う。テストステロンでは攻撃的にならない。男性ホルモンとはいえ、体裁を保つための行動を促すためのものだ。事実を鵜呑みにすべきではない」

「事実どおりこともある」

家の前に止まっていた車に傷があった。車を見ていると女性が声をかけてきた。

「警察だ」とリジーが言うと、家から出てきた。駐車場からはトムサー・ケイジャーの声がする。

女性「あれは芝居でDJモードなんです。普段はとってもやさしい人ですから」

リジー「中には入れますか?」「ええ」と言って女性は鍵を取りに行った。

 

中では

「それをベガスのような砂漠しかない街に移すなんてアホだろ。マジでありえねぇ。だから、警察が疑ってるように、あの女が殺されたんだとしたら、犯人はパレードで歓迎しないとなぁ」

 

女性「トミー、トミー!」 トミーのヘッドホンを無理やり外した。

トミー「おい、何すんだよ! 収録の邪魔すんなって言っただろ」

リジー「いいえ、邪魔するわ」 そう言ってバッジを見せた。「アビーのパーティに、ウエイターに成りすまして、どうやって潜り込んだのか教えなさい」

女性「トミー! あんた何やったの?」

トミー「小遣いをやって、ちょっと制服を借りただけだって」

女性「嘘しょ? 本当ににやったの? 冗談だと思ってたのに」

トミー「配信用に、少しアビーにインタビューをしたかっただけだよ。隙きを突けば嘘をあばけるし、ハドソンズファンには事実を伝えないと」

リジー「だからアビーの後をつけて、車でぶつかったの?」

トミー「はぁ? 俺が犯人だって?」

ディラン「配信を聞く限りではね」

トミー「アビーが死ぬべきだって言ったからって、本気で思っていたわけじゃない」

リジー「アビーの車から、あなたの車のテールランプの破片が発見された」

トミー「違うよ、俺が当てられたんだよ」

ディラン「アビーがぶつけてきたって?」

リジー「場所はどこ?」

トミー「99丁目」

 

インスティンクト #7

防犯カメラの映像を見る。トマホークの証言どおり、アビーの車がぶつかっていた。見る限りでは、かなり無謀な運転だ。

そこへジャスミンがやってきた。

リジー「ジャス、トマホークは事実を言っている。アビーは3台の車と接触してるわ」

ジャスミン「ウソでしょ? これがアビーの運転?」

リジー「そうよ。来た道を逆戻りしてる」

ディラン「待った。あの車は?」 白い車がアビーの車を追いかけている。

ジャスミン「ナンバーを調べて」 調べるリジー「車の所有者はユーリ・ミンクス」そう言って、写真を出した。

それは、ジャスミンがパーティ会場で見つけた怪しい男だった。

 

ユーリ・ミンクス

公園のベンチに座り、写真を撮っているユーリ・ミンクス。

リジーがバッジを見せると「仕事中なんだ。後にしてくれ」と言った。

ディラン「それは失礼。探偵家業の邪魔して悪いがこっちも仕事なもんで」

リジー「なぜアビーを付けていたの?」

ミンクス「夫に依頼されたから」

いったいそれはどういうこと? と思った二人は、顔を見合わせた。

ディラン「ラッセル・ライトに依頼されたのか?」

ミンクス「そのとおり」

リジー「死ぬまで尾行しろって?」

立ち上がったミンクスは「橋から落ちるかなり前に尾行は失敗した。前の車がもたついて、料金所で見失った」

リジー「ラッセルはなぜ、あなたにアビーを尾行させたの?」

ミンクス「理由は言わなかった。俺には関係ないことなので聞かなかった。レッスンが終わったんで、もういいか。別の仕事に行かないと」

 

ジャスミンとリジー

歩道を歩くジャスミンとリジー。

リジー「ミンクスの証言通りだった。料金所で渋滞が起きていたのを防犯カメラの映像で確認ができた」

ジャスミン「また振り出しに戻ったわね。まったく・・・アビーが誰かに殺されるって怯えながら通報していることは確かなのに、まったく決め手がない。トマホークでもミンクスでもないなら、いったい犯人は誰なの?」

「残念だけど、今はまだわからない」

「アビーの無念を晴らせない」

「いいえ、時間がかかっているのは確かだけど、ちゃんと捜査は進んでるから」

「アビーの告別式でのスピーチをラッセルから頼まれたんの。彼女とことを思い返してたら、悲しいはずなのに、腹が立って仕方ないの」

「約束する。犯人は必ず見つける」

 

手紙

インスティンクト #7

1通1通、手紙を調べるラファエルとディラン。

ジャスミンが収穫があったか聞いたが、まだ何も見つかっていない。ハリスがアビーの携帯を調べ終え、報告にやってきた。

ハリス「例の間違い電話をかけた記録は、過去にはなかった」

リジー「誰か、ライト家の電話を調べてみて」

フッチ「俺が調べる」

ジャスミン「間違い電話って、何?」 ハリスが書類を見せる。

リジー「パーティから逃げる直前にアビーがかけた電話番号」

ジャスミン「おかしいわ。お母さんはもう亡くなってるはずよ」

ディラン「お母さん?」

ジャスミン「これはアビーの実家の番号よ。子供の頃、何十回ってかけたから覚えてる」

ディラン「最後に見かけた時、アビーは不安定だったって言ってましたよね」

ジャスミン「ええ。でも部屋に入った後はかなり落ち着いていた。それから、ラッセルと私に「少し1人になりたい」って言っていた。じゃぁ、オフィスにいるから進展があったら知らせて」

 

リジーに電話が入った。話ながら席から離れていった。

「ニーダム・・・ええ。あなたは?・・・あっそう、いいわよ。シェンね、知ってるわ。私も、じゃぁ」

フッチとラファエルがニヤニヤと笑っている。

ラファエル「シェンだって? 事件か? はったい殺し?」

フッチ「点心が処刑された?」

ディランも笑う。

ラファエル「刑事の感がこういってるぞ。ニーダム刑事はどうやらデートだって」

フッチ「あぁ、デートか、めでたい!」 拍手する。

ハリス「よかったなぁ、リジー」

リジー「やめて。事件が最優先だし、必要ならキャンセルする」

フッチ「自宅の電話にも、例の電話にかけた記録はなかったが、数週間前に緊急電話にはかけてた。警察の記録では強盗だ」

ディラン「ラッセルからは聞いてないなぁ。この話も、探偵の件も」

リジー「被害は?」

フッチ「なし。使用人のソフィア・グティエレスが通報をした。しかし、ライト夫妻は捜査を断った」

リジー「使用人とは話したの?」

フッチ「駆けつけた警官も会っていない。現場に到着したときにはいなくて、そのまま戻ってこなかった。8年も勤めていたのに」

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隠し事

ラッセル「あの件は、ソフィアが消えたままで気にはなっていた」

ディラン「事件を調査しなかったのは、彼女をかばうため?」

ラッセル「実は、いくつか装飾品が失くなっていた。ソフィアは不法移民で子供もいる。盗みをするほど困っていたのなら、追い詰めたくないと思って」

リジー「被害額はいくら?」

ラッセル「わからない。・・・1000ドルぐらいかなぁ」

ディラン「探偵を雇った件は? 奥さんを尾行させてましたよね」

動揺するラッセル。「言うべきだった。だが、結局彼も何も見ていないんだ」

ディラン「そうだとしても、探偵に奥さんを尾行させたのは事実だ」

ラッセル「でも、それは妻を監視する目的じゃない。アビーを守るため。脅迫が増えているのに、護衛をつけるのを拒んでいた。私は、他にアビーを守る方法がなくて、怖かったんだ」

リジー「そういうことは、きちんと話てもらわないと」

ラッセル「すまない。確かに、きちんと言っておくべきだった」

リジー「使用人の情報を教えてもらえますか?」

ラッセル「いや、そっとしておいて欲しい。悪い子じゃないないので」

ディラン「話をしたいだけです」

 

インスティンクト #7

ソフィアの家。ディランがノックするが応答はない。

ディラン「8年間も勤めた安定した仕事を、たった1000ドルのために、なぜ棒に振ったんだ?」

リジー「急にお金が必要になったのかも」

扉が開いた。母親が出てきた。

リジー「ソフィアさんと話をしたいのですが?」

母「ここにはいません」

リジー「どこに行かれましたか?」

ディラン「とても大切な話なんです。アビー・ライトさんについて、聞きたいことが」

母「娘は二度と戻りません」

リジー「二度と? 無事なんですよね?」

母「母国のエルサドバドルに帰ったんです」

リジー「いつのことですか?」

母「多分、2週間前」

ディラン「多分? 娘が帰国するっていう日を正確に覚えていらっしゃらないんですか? 本当は帰国していないんでしょ」

母「もう行ってちょうだい、お願いだから。奴らに知られてしまう」

リジー「奴らって?」

母「お願い! 帰ってちょうだい!!」

 

インスティンクト #7

コーヒーを飲みながら、ジャスミンに報告をする。

リジー「使用人ソフィアの母親は、かなり怯えた様子だった」

ジャスミン「姿を消してしまった使用人の写真はないの?」

リジー「ええ。でもラッセルに頼んでみる。自宅周辺の聞き込み捜査も進めてるから、きっと何かが出るはず」

ジャスミン「必ず見つけて。話を聞きたい」

ディラン「警部補の話も」

ジャスミン「私の話?」

ディラン「アビーとは友人なんで。行動力に定評があり、去年、人気バスケットチームの本拠地移転を決意した。自身のパーティで騒動起こし、会場から抜け出し、使用人は行方不明。これらは警部補が知ってるアビー?」

ジャスミン「全然違う。きっとストレスのせいだったと思うわ」

ディラン「どのくらい親しかったんですか?」

リジー「警部補を尋問するつもり?」

ジャスミン「いいのよ。手掛かりが掴めるのなら何だって話すわ。子供の頃はいつも一緒にいた。この数年は、あまり会えていなかったけど、会えば一瞬で昔の二人に戻れた」

ディラン「その間、アビーに変化はあった?」

ジャスミン「忙しいかったのか、少しイライラしてた。あまりメールにも返事をくれなくなって。・・・前よりも少し距離を感じていた。でも、四六時中マスコミに追いかけまわされたら、私でもああなると思うわ」

ディラン「ああなるとは、どういうこと?」

ジェニファー「人が変わる」

 

アビーの映像

アビーの映像を見返すリジーとディラン。


「アビー、コメントいただけますか?」

「何度も交渉を重ねた結果、視聴料を上げずに・・・」


リジー「これは3年前の映像よ。ジャスミンと会う回数が減り始めた頃」

ディラン「威厳と自信に満ちていて異変はない。もう少し、最近のものを見せて」

リジー「じゃぁ、2年前、2回戦に勝ったときの映像」


「えー、確かに大勝利でしたが、まだまだ続きは残ってますので」

アビーはキョロキョロとし、「ねぇ、タオル頂戴!!」と言った。


ディラン「イライラし、興奮状態。プレーオフで勝った後なのに妙だ。」

リジー「1ヶ月前のオーナー会議の映像」


「ファンのみなさんがチームの試合を見ることは保証されています。ですが・・・・・・」


リジー「弱々しく、目も逸しがち。カメラを嫌がってる印象」

ディラン「別人のようだ」


「特定の選手のプレイを約束することは出来ません。全てはヘッジ・・・へッド・・・ヘッドコーチの裁量ですので」 グラスの水を飲もうとするアビー。


ディラン「あの手の震え。イライラしがちで、手には震え、言語障害もある。アビーは、病気を隠していた可能性はあるかなぁ? 例えば夫にも」

リジー「医療記録を請求する。じゃぁ、ほかはどう? 何か仮説はある?」

ディラン「僕の仮説を聞きたいってことか? いつもは黙ってろって言ってるのに?」

リジー「軽くあしらい過ぎたかなぁと思って。病気以外でアビーがあんな行動をとる要因とか?」

ディラン「まぁ、ストレス状態が長く続けば、ホルモンや生理的な・・・そうか! なるほどね。実に賢い!」

リジー「何が?」

ディラン「時間稼ぎだ。仕事が長引いたと言い訳にしてデートをキャンセルする。僕がそんな手に引っかかると思われていたのなら、屈辱だ」

リジー「そんなんじゃない。デートなんていつでもできるからよ。それよりも、今夜中にアビーの医療記録を手に入れたいし、使用人探しだってまだ残ってる」

ハリス「請求ならやっとくよー。使用人の自宅周辺の聞き込みも継続中だし」

フッチ「だから、無駄な抵抗をしないでデートに行ってこいよ。だけど、攻めすぎるなよ」

ラファエル「唇をプックリさせるメイクがいいぞ」

リジー「あーそー。お気に入りのダッチワイフに似せたいってわけね」

呆れるラファエル。

ハリス「おやすみのキスをしてきても、急所は蹴るなよ」

作り笑顔で返すリジー。「博士からの助言は?」

「君は君でいい。ただし、構えずに」

「ありがとう。ベストを尽くす」

 

久々のデート

インスティンクト #7

スティーブ「でもやっぱり、コスタリカが最高だったなぁ。急流下りとかしたことはある?」

リジー「いいえ。でも楽しそう」

「最後の休暇は何をしたの?」

「あ・・・しばらく休暇は取ってないから。仕事が忙し過ぎて」

「なるほど。じゃぁ、趣味はあるの?」

「趣味? ん、そうねぇ・・・何かなぁ、仕事? ねぇ、ごめんなさい。なんていうか、こう・・・軽い感じで話せなくて。容量悪いわね」

「いや、いいんだ。気楽にいこうよ。それに、軽いつもりはない」

「ん??」

「冗談だよ(笑)」

店員がサービスだといって巻き寿司を持ってきた。巻き寿司を見つめて黙り込むリジー。

スティーブ「どうしたの? 寿司は嫌いだった? まさかヴィーガン? ごめん、知らなくて」

リジー「いいえ、大好き。前はよく食べた」

「前はっていうのが気になるなぁ」

「何でもないの。仕事でちょっとあっただけでなんで忘れて」

「聞かせて。君の仕事の話。何があったの?」

 

インスティンクト #7

アンディーのバー。

ディランが「カゴに入れろー!」と叫んでいる。その声を聞いたアンディは笑う。

アンディ「どうしたんだ? ブラームス大好き男がスポーツバカの掃き溜めで何してるんだ? また仕事か?」

「違うよ。いや、そうかも。関係の修復をしに来た。まずは勉強し直した。バスケットボールについて、いや、ここはバスケって言うのかな」

「よーし、くたばれニューヨーク!」と客がテレビを見ながら言った。

ディラン「勇敢だねぇ」「バカとも言う」

「この前の失言を許して欲しいんだ。知性の面で君を理解できていても、感情面で理解できないのが辛いんだ」

「それもいいんじゃないの? 少し謎があった方が刺激的だしね。試合の度に喧嘩するのも疲れるし」

「わかるけど。スポーツが君にとって、そんなに大切なのかと思うとすごく・・・」

「呆れる? 確かに君は賢いし・・・」

「嫉妬するんだ! ずっとスポーツは時間の無駄だと思うようにしてきた。不器用な子だったからね」

「君が!? まさか!?」

「・・・選んでくれるチームもなかったし」

「なあ、僕は君を選んだ」

ディランは嬉しさのあまり、アンディにキスをしようとした。しかし、帽子のツバがアンディの額にぶつかってしまった。「やられた~」「ごめんごめん」

アンディ「君は君らしくいてさえくれればいい。みんな気さくだしね。ただ・・・帽子は脱いで」

「チームが違う??」

「いや、そうじゃなくて。バカっぽいから」

「ハハハ、参ったなぁ」 帽子を脱ぐディラン

 


リジーは、スティーブに遺体の写真を見せている。

「で、これは、売春婦の焼死体。犯人は薬物中毒者だったの。ハイになってる中毒者と話したことある?」

「ないと思うなぁ。料理は気に入った?」

「ええ。で、この男。彼は至近距離から撃たれてたの。こんな状態の人間の頭、見たことある?」

スティーブは顔を歪めながら「もう、お腹いっぱい?」と言った。

「えっ? いいえ、食べてるわ」

メッセージが届いた「TARUからメール」

リジー「あ、ごめんなさい」

スティーブ「タルか。それってフィンランドの名前?違う?」

「いえ、人ではないの。TARUは、NYPDの技術支援チームの略。(質問がある。至急連絡を)コンピューターのオタク集団と思って」

笑うスティーブ。また携帯にTARUからメッセージ。「ごめんなさい。これで最後にするから」

スティーブ「なぁ、リジー。仕事が気になってるようだし、僕も邪魔はしたくないんだ」

リジー「いえ、もう大丈夫だから。本当に」そう言った矢先、またメッセージが来た。

スティーブ「今夜はもう帰ろう」

リジーはため息をついた。

 

インスティンクト #7

先程、「くたばれニューヨーク!」と言っていた男が、テレビ画面を見ながらカウンターに歩いてくる。そして、座っている男にぶつかった。

男は自分がぶつかっていったのに、座っていた男に「何する?」と言って因縁をつけた。座っていた男は、「そっちから、押したんだろうが」横にいた女性は「相手しないで、いいところを見逃すよ」と座っている男性に声をかけた。

再びテレビを見ている客たち。座っている男性が「審判、どこ見てんだよ」と言った。女性も「何の為にいるのよ! 邪魔なだけじゃん」

ディラン「接触したのは足がつく前だ。ディフェンスのファールで間違いない。判定は正しい」

男「間違いは、ガタガタ言ってるお前だよ!」

ディラン「全部で82試合ある」

因縁をつけてきた男が「82だけ。プレーオフは無理だろうからな」と言った。座っていた男はその言葉が気に触り「もう一度言ってみろよ」と胸ぐらを掴んだ。「よく聞けよ。クソ、ニューヨークが!」胸ぐらを掴んだ男が相手を殴った。喧嘩が勃発。

アンディが「うちの店でやめろ!」といい、カウンターから飛び出してきた。ディランも止めに入り、殴られた男に、「よせよせ、冷静になれ」と言った。暴れている男の首に腕を回し、止めようとしている男性の姿を見てディランは、何かがひらめいた。

低酸素症で酸素不足が起こると、酸素を豊富に含んだ血液が脳から奪われ、協調運動障害や言語障害、意識の混乱を引き起こします。昔受けた講義の内容だ。

 

アンディ「言っとくけど、君がくるまで動物たちは大人しかったんだぞ。頭大丈夫?」

ディラン「僕のはね。アビーのは調べないと」

 

アビーの頭

エレベーターから降りるリジーとディラン。

リジー「アビーは外傷性脳損傷を患っていたわけ?」

ディラン「検視官が確認した」

「アメフト選手がなるような?」

「そう」

「過去に脳震盪を起こしたことは?」

「なかったが、奇妙な行動や触覚障害を起こしたことはあったようだ」

「それで、パーティで客に触られた時、パニックを起こしたの?」

「そうだ。言語障害や衝動性、攻撃性にも苦しんでいたのは・・・・首を締められていたからだ」

「パーティで誰かに締められたってことなの?」

「おそらく、それ以前からだ。その前の週も、その前の月も」

 

ジャスミンに報告する。

ジャスミン「ラッセルがアビーを? でも、アビーの首にアザは見当たらなかったわ」

ディラン「腕で締めあげれば、表面上にアザは残らない。指と違って、力が一箇所に集中せず、皮膚との接触面が広いので」

リジー「つまり、あの事故で助かっていたとしても、脳損傷で死ぬのは時間の問題だったの。殺したのはラッセルよ」

ジャスミン「証拠がないのに、軽率な発言はすべきではない」

ディラン「いや、リジーが昨夜TARUで調べたんだ」

ジャスミン「デートはどうしたの?」

ディラン「デートより、携帯の方が興味深かったようだよ」

リジー「デート中に、TARUがずっと質問メールを送り続けてくるから、直接アビーの携帯とパソコンを調べにいっただけ。3年前にアビーのパソコンに、ラッセルがマルウェアを入れていた。ジャスに返信をしなかったのはそのせいよ。メールが届いてなかったから」

ディラン「ラッセルはアビーの人間関係を絶ち、監視し、支配していた。彼女はずっと虐待に耐えていたんだよ」

ジャスミン「私は会ってたけど、何かあれば気付いたはずだけど」

ディラン「アビーとラッセルは、必死になって事実を隠していたんだ。それぞれ違った理由でね」

ジャスミン「はー、私のせいだわ。ラッセルを完璧な夫だって言ってたから」

ディラン「最近の行動とも辻褄が合う。長く虐待され、囚人のようになってたから、アビーはチームの移転を考えたんだろう。無意識のうちに人生から逃げ出そうとしていたんだと思う。それで実家の番号に電話をした。番号を押せば、安全だった頃を思い出し、心が癒やされたのだろう」

リジー「アビーと使用人のソフィアが送り合ってた大量のメールも見つけたの。もうアドレスは使えないけど、お互いのこと気にしていたの」

ジャスミン「だったらソフィアはなぜ窃盗をして姿を消してしまったの?」

 

ディランは、頭の中を整理する。強盗が荒らした室内。本当は別の理由があったのでは。で、そのことを隠そうとした。

ディラン「ソフィアは無実だ。おそらく強盗事件なんてなかったんだ。その日、出かける前に、ラッセルがアビーに暴行したんだ」

リジー「ソフィアが通報したのは、それを機にアビーが救われることを願って?」

ジャスミン「通報したことで、ラッセルを裏切ったからソフィアは姿を消した。でもまだわからないのは、なぜ、アビーがパーティから逃げ出したのか」

ディラン「逃げです前、アビーに会ったのは警部補とラッセルだが、アビーを一人にする前、ラッセルは彼女に何か言ってなかった?」

ジャスミン「ええ。ブレスレットを渡しに行った時に少し聞こえたんだけど、別に普通だったわ」

ディラン「具体的に何と言ってた?」

ジャスミン「アビーがラッセルに謝ると、「正直、戸惑った。うちに帰ったら対処しよう」そう言っていたわ」

ディラン「それだ! だからアビーは逃げたんだ。そんなの普通の夫婦の会話じゃない。家で対処しよう? アビーへの警告だ!」

ジャスミン「でもずっと虐待されていたのなら、なぜあの日は逃げたの?」

ディラン「2時間後に暴行するぞと警告される家庭内暴力は珍しい。これから何が起きるか知って、思わず逃げ出したんだろう」

ジャスミン「クズ男を逮捕するわよ」

リジー「聞き込みが終わるのを待ってられない。一刻も早くソフィアを見つけないと」

 

ソフィーの居場所

インスティンクト

再びミンクスの元を訪れるリジー。そしてソフィアの居場所を聞く。

ミンクス「なんだか脅されてるみたいだなぁ」

リジー「私は聞いてるだけ」

「居場所を教えなきゃ逮捕する気だろう?」

「あなたがアビーを尾行しなければ、死ななかった。振り切ろうと無茶な運転をしたためよ。映像も残っているし、過失致死は重罪」

「なぁ、いい加減にしてくれ。事故を起こした時、俺は近くにいなかった。そんな理由で有罪になるはずがない」

「かもしれない。でも、じっくり1年かけて、法廷で争ってもいいのよ。ラッセルにソフィアを脅すように頼まれたんでしょ。今どこにいるのか教えて」

「いいだろう。居場所は教える。だが、いつかこの貸しは必ず返せよ」

「わかったわ。ドン・コルレオーネ」

 

インスティンクト#7

教会を訪れるリジー。

リジー「ソフィアはここにいますよね。話をさせてください」

神父「お断りします。ここは聖域ですので」

「私は殺人課の刑事で、移民局の人間ではありません」

「申し訳ないですが危険過ぎます」

「危険? ソフィアを国に返すと脅した男から身を隠しているんですよね。私はその男を逮捕したいんです!」

扉が開き女性が出てきた。ソフィアだ。

 

告別式会場

インスティンクト #7

アビーの告別式の準備が進められているバスケの会場にやってきた。

リジー「ソフィアが認めたわ。めちゃくちゃになったライト家を見たのはあの日が初めてではなかった。ラッセルのアビーへの虐待が明るみに出ることを祈って通報したって言ってた」

ディラン「君の予想どおり」

「ソフィアは、ラッセルがアビーを怒鳴る音声まで録音していた。でも怖くて出せなかった」

 

ラッセル「進展でもありましたか?」

ディラン「ええ」

リジー「アビー・ライト殺害容疑で、あなたを逮捕します」

ラッセル「えっ、なんで? 冗談はやめてくれ。証人でもいるのか?」

ディラン「アビーだ。彼女の体が証言している」

ラッセル「何を言っているんだ」

リジー「解剖の結果、アビーは長年、首を締められていたことが判明した。そして、そのせいで脳が損傷し」

ディラン「あの事故の要因となった」

ラッセル「あー、やめろ!俺に触るな」

リジーが手錠をはめた。

ラッセル「俺は、ずっと優しかった。いつも向こうが癇癪を起こしていたんだ」

リジー「あなたには黙秘権があり」

ラッセル「言いがかりだ。お前らを名誉毀損で訴えてやる!」

リジー「供述は不利な証拠として用いられる」

ラッセル「俺にふざけたマネをしたら」

リジー「何よ? 私を殴る?」

 

ストレス発散?

ハリスとキックボクシングをするリジー。リジーの勝利だ。

ディラン「お邪魔して悪いね」

ハリス「悪い? 好きなだけ邪魔してくれ。俺は水を飲んでくる。医者も呼ぶかも」

リジーはハリスにお礼を言った。

ディラン「なぜ、ハリスを殴ったんだ?」

リジー「他のみんなは逃げてしまって」

「勇敢だが、おろかだ」

「その格好はなに? ジャージなんて珍しいわね。ウィルソンって?」

「アンディだ。彼の名字だ。プレゼントなんだ。チームに入れてもらったのさ」

「そう。じゃぁ、そのまま自分のことに集中して。私の恋愛事情は放っておいて。さっき居たら、デートを煽ったあなたをマットに沈めてた」

「なぁ、リジー」

「本当に最悪で」

「そこまで悲惨ではないよ」

「スティーブが可哀想だった。人を不快にさせたのよ。自分が情けないわ」

「スティーブを意識するから、落ち込むんだろ? それにデートに行ったのだって、誰かと新しい関係を築きたくなったからだ。レストランでの行動についても」

「意識し過ぎてバカやっちゃったの」

「かもな。大事なのは意識で、意識してるなら前に踏み出させるよ」

「だけど、ラッセルみたいな奴は多い」

「アンディみたいな紳士もいるぞ。それに僕がデートを勧めたのは、行動から人となりをしっかり分析した結果だ」

「それなら安心とでも言うと思った?」

「僕が保証する。スティーブは大丈夫だから。すぐに電話して。ちゃんと謝ったら次の約束をする」

「放っておいて」

「リジー、仕事だけの人生なんて過ごすべきではない」

「吠えるだけ無駄よ」

「なぜ? 仕事を取るから?」

「いいえ。もう電話したから。で、ちゃんと謝ったの」

「えー!! ほんとに??」

「言われちゃった。セクシーだって。仕事に夢中な姿には惹かれたけど、本当に邪魔しちゃ悪いって思ったみたいで」

「なにー」

「今夜デートするの」

「なんと! エリザベス・ニーダム!」

「ふふーん」

「いいぞ、よくやった!」

「構えてないでしょ?」

「まったく。でも今回は、遺体の画像を封印すること」

「前は上手くいったのよ」

「何でも初めては上手く」

「確かにそうね」

 

おしまい。

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感想

 

橋の上からダイブしたのが、ジャスミンの友人だったなんて、意外な展開から事件がスタート。

前回のストーリーからの続きのか、「人は見た目では判断できない」っていう内容を引き継いでいたような気がします。

捜査を進めるうちに、完璧な夫はDV夫だということが判明。警察に窃盗だと通報した使用人のソフィアは行方不明。てっきり、口封じのために殺されてしまったのかと思ったら、生きていた。そこまでは残酷ではなかったのね。

そして、今回はリジーにスティーブという新しい出会いあり。まぁ、フッチが仕組んだって感じもしますが、今後うまくいけばいいのになぁって思います。

ディランとアンディは相変わらずのラブラブでした。ほんと、仲が良すぎる。羨ましい限りです。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

第6話:究極の効率化 | 第8話:憎悪の根源

 

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